悪夢の一夜は過ぎた。
呆然と佇む罹災者の保護が最大の急務であり、自衛隊、消防団を主体に 瓦礫片付けなど、次の災害応急対策が開始された。
項目
内容
借地借家臨時処理法の適用 火事による災害を受けた借家人及び借地人の保護を図るため、 11月24日よりこの法律が適用され、家屋が全焼した場合でも、 ある一定期間の借地権が認められると共に、地主が家屋を新築した 場合、借家人には入居の優先権が与えられる。
建築基準法84条による建築制限 罹災地に個人が勝手に家を建て始めると、区画整理事業に大きな 支障があるので、一定期間建築物を制限した。制限場所は、区画整理 区域内の31.9ha、1店舗当たり100m2以下の 仮設店舗、その他これに類する仮設建築物以外のすべての建築を 11月4日より12月29日まで全面制限した。
住宅金融公庫の融資額の拡大 激甚災害の指定(11月24日)により、公営住宅の補助率の 限度を2/3から3/4に引き上げると共に、住宅金融公庫の 融資について、木造320万→540万、耐火構造440万→610万に 引き上げ、利子は5.5%→3%に引き下げた。






避難所の設置 10月29日から11月3日まで、災害の状況に応じ、市民会館など 7ヶ所に避難所を設け、延べ2,202人の避難者を収容した。
炊出し等 10月29日から11月4日まで、7,486食の炊出しを実施。 経費約百万。
被服・寝具支給 10月30日から11月7日まで26,400点の現物支給。 経費約3千万。
医療関係 10月29日から11月11日まで13医療機関で809人の 救護活動。
住宅の応急修理 半焼7世帯のうち、2戸について応急修理。
学用品の給付 11月11日から26日まで、515人に支給。経費約1千万。
輸送関係 10月30日から11月7日まで、避難所及び救助物資の輸送に 動員した車は200台、人夫957人。経費約7百万。
消防隊の出動 酒田地区の消防車15台、他地区応援も含めて217台、 2,657名の消防隊が出動。
瓦礫片付け 自衛隊、消防団等の車2,764台、その量は73,000m2。 経費約8千万。
応急仮設住宅 被災者よりの強い要望で、災害地にできるだけ近い場所に 設置することになり、中央公民館の54戸を最高に、浜田小23戸、 若浜小22戸、藤井氏宅地29戸、専修訓練校20戸、終末処理場用地 50戸、計198戸を12月20日まで完了。
仮設店舗 復興計画に支障のない場所(9ヶ所)に238戸建設。
災害公営住宅 51年度、若宮町に96戸(県営48戸、市営48戸、3DK)、 52年度、光ケ丘及び富士見町に96戸(市営3DK)、計192戸建設。