生態系は、長い期間をかけて、微妙なバランスのもとで成立しています。ここに生物本来の移動能力を超えて本来生息していなかった地域に持ち込まれた生物(外来種)が侵入してくると、生態系のみならず、人間や農林水産業まで多岐に渡って悪影響を及ぼす場合があります。
※渡り鳥、海流にのって移動してくる魚や植物の種などは、自然の力で移動するものなので外来種には当たりません。
※「外来生物」とは、国外由来の外来種のみを指します。
外来生物の中で生態系、人の生命・身体、農林水産業などへの特に大きな被害をもたらすと考えられ、外来生物法(正式には「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」)で指定したものが、「特定外来生物」です。
特定外来生物に指定された生物を飼育・保管・運搬・販売・譲渡・輸入・野外に放つことなどは原則禁止されており、違反すると罰則があります。
なお、特定外来生物は、生きているものに限られ、個体だけでなく、卵、種子、器官なども含まれます。
特定外来生物を捕獲、発見した場合等は、外来生物法により生きたまま許可無く運搬できないことから、不用意に捕まえず、その場所の管理者にお知らせください。
なお、植物については、刈り取りなどは行うことができますが、刈り取った直後のものを運んだり、植え替えることはできません。駆除方法については下記を参照ください。
特定外来生物に関しては、環境省のホームページで確認できます。
日本の外来種対策(環境省)
- 根から引き抜く…根元から株ごと引き抜きましょう。多年草なので根が残るとまた生えてきます。
- 袋に入れて枯らせる…種子や根を落とさないように袋を密閉して、枯らしてください。
- 燃えるごみとして処分する…市のごみルールに沿って、燃えるごみとして処分してください。
(駆除するときに気を付けること)
- 種子を落とさない…種子は土中で何年も生き残ります。種子をつける前の花の咲き始めまでに駆除するのが一番良いです。
- 継続的に駆除する…駆除後も根や種子が残っているので、翌年も生えていきます。毎年根気よく続けることが効果的です。
- 草刈り機や鎌での刈り取りは、応急措置として繁殖を一時的に遅らせることはできますが、完全に駆除することはできません。
- 除草剤は効果がありますが、通常の濃度では根は枯れません。一方で強い濃度の薬剤は同じ所に生える他の植物も枯らしてしまうため、使用には注意が必要です。
- アレチウリを1本見つける
- 根元までツルをたどり、地面の生え際のツルをつかみ引き抜く…根まで抜き取る必要があるため、1本ずつ丁寧に行ってください。
- 引き抜いたアレチウリを天日にさらして30分程度放置し、枯死させる…アスファルト等の上で放置してください。
- 燃えるごみとして処分する…市のごみルールに沿って、燃えるごみとして処分してください。
(駆除するときに気を付けること)
- 根やツルを残さない…残った部分から再生・増殖し、生き続けることができます。
- 種子を落とさない…種子をつける前の花の咲き始めまでに駆除するのが一番良いです。
- 1年に数回抜き取る…アレチウリの芽生えは5月から10月頃まで続きます。成長する前にこまめに駆除することが効果的です。
- 継続的に駆除する…1年草ですが、アレチウリの種が2、3年後に発芽する事例も確認されており、継続的な駆除が必要です。
アカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まります
外来種による被害を予防するために
- 「入れない」:悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」
- 「捨てない」:飼育・栽培している外来種を適切に管理し、「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)
- 「拡げない」:既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」(増やさないことを含む)
外来種に関わる際には、この原則を心にとめ、適切な対応とご理解・ご協力をお願いします。