更新日:2025年5月13日
松山能は、松山藩主酒井忠恒公の時代、寛文年間(1661~1673)に始まったとされています。観世流を源に抱きながら、武家が育て、町方が受け継ぎ、松山の地で演じられてきました。
年3回の公演の中でも、6月の花の能「羽州庄内松山城薪能」は、歴史公園の竣工を記念するとともに、松山の風物詩にしようと昭和57年(1982)に始まりました。
初夏の夜風を感じながら、かがり火に浮かび上がる大手門を背景に上演される薪能。能のもつ幽玄の世界が、360年の時を超えて観る者の心を打つ舞台です。その幻想的な舞をお楽しみください。
松山能について
令和7年6月14日(土曜)
午後3時
午後5時30分
鬼清水
竹生島
午後3時から午後5時まで
前売り2,500円、当日2,700円
※呈茶は入場料に含みます。
松山城址館、松山総合支所、松山文化伝承館、生涯学習施設「里仁館」、松嶺コミュニティセンター、酒田ふれあい商工会、酒田市総合文化センター
松山城址館0234-61-4885(月曜休館)までお電話ください。
※休館日は松山総合支所0234-62-2611で受け付けます。
松山歴史公園野外特設舞台(山形県酒田市字新屋敷36-2)
※雨天時は松山農村環境改善センター
台風等の天災により警報が発令された場合、やむを得ず中止する場合がございます。
※中止時のチケット払い戻しは松山城址館で受け付けます。
平安時代、醍醐天皇の治世に、臣下の一行が竹生島に参詣しようと琵琶湖にやって来ます。湖畔で出会った老人と若い女が乗る釣り舟に便乗し、琵琶湖に浮かぶ竹生島へと渡っていきます。弥生半ばの長閑な景色を眺めつつ、竹生島に到着すると、老人たちは臣下を弁財天の社へと誘います。
臣下は、女人禁制の島に女性が立ち入ることを不審に思いますが、女は「私は竹生島の弁財天だ」と名乗り、神殿に消えていきます。そして老人も「自分は湖の主(龍神)だ」と言い、波間へと消えていきました。
夜になると、神殿が鳴動し、光を放ちながら弁財天が現れます。天女の姿の弁財天が舞い踊ると、それに応えるように波がざわめき龍神が湖中より現れ、神の威光を示し、天下を祝福して再び湖に帰っていきます。
雄大な琵琶湖の春の景色の中で、清々しい神の物語が展開します。華やかな天女の舞、龍神の豪快な舞働(まいばたらき)などが見どころです。
主人は、自宅で催す茶会では野中の清水を使います。この清水は播磨の国印南野(いなみの)にある名水と言われます。「鬼の首引き」の舞台となる場所です。
その水を取って来いと桶を持たせ、家来の太郎冠者(たろうかじゃ)を追い出しましたが、冠者は面倒なので「清水に鬼が出た」と嘘を言って、桶を置いて帰ってきてしまいます。
主人は置いてきた桶を取りに清水に行くと言い張りますが、冠者は先回りして鬼の面をつけて脅かします。
主人は最初慌てて逃げたのですが、鬼は「太郎冠者に夏は酒を冷やして飲ませ、冬は燗をして飲ませよ」とか「蚊帳を張れ」とか「給料の残りをすぐにやれ」とか、冠者に都合のいいことばかり要求します。
主人は鬼を冠者だと見破り、顔から鬼の面を取り上げます。冠者は主人に追われて逃げていきます。
仕事をさぼりたい太郎冠者は主人に嘘をついた上に、嘘をごまかすために主人を脅かし、さらに調子に乗って余計なことまでしてしまいます。日常生活の中から出た切実な要求に共感が持てます。
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