更新日:2025年10月22日
RSウイルスの感染による急性の呼吸器感染症で乳幼児に多い感染症です。年齢を問わず何度も感染を繰り返しますが、初回感染時には、より重症化しやすいといわれており、特に生後6ヶ月以内に感染した場合には、細気管支炎や肺炎など重症化することがあります。一般的には、風邪の様な症状のみで重症となることは少ないとされていますが、慢性呼吸器疾患等の基礎疾患のある高齢者や免疫不全者では、重症化するリスクがあり、注意が必要です。
発熱、鼻汁、咳などの上気道炎症状が数日続きその後、場合によっては、気管支炎や肺炎などの下気道症状が出てきます。初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で数日のうちに軽快しますが、約3割では咳が悪化し、 喘鳴(ゼーゼーと呼吸しにくくなること)や呼吸困難、さらに気管支炎の症状が増加します。重篤な合併症として注意すべきものには、1歳以下では中耳炎の合併症がよくみられる他、無呼吸発作、急性脳症等があります。
RSウイルスに感染した人の咳やくしゃみなどによる「飛まつ感染」と、ウイルスの付着した手指や物などを介した「接触感染」といわれています。
基本的には、症状に応じた治療(対症療法)を行います。重症化した場合には、酸素投与、点滴、呼吸管理などを行います。
日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤などで消毒し、流水・石鹸による手洗い、またはアルコール製剤による手指衛生を行うことが重要です。また、鼻汁、咳などの呼吸器症状がある場合はマスクが着用できる年齢の子どもや大人はマスクを使用することや、手洗いや手指衛生といった基本的な対策の徹底を行うことが大切です。
RSウイルスワクチンには、60歳以上を対象としたものと、妊婦を対象としたもの(母子免疫により新生児に効果があるもの)があり、感染時の重症化を予防することができます。いずれも任意予防接種(全額自己負担)となり、接種費用は医療機関によって異なりますので、直接、医療機関へお問い合わせください(いずれも筋肉注射です)。また、新生児を対象としたRSウイルス抗体製剤があります。疾患によって保険適用となりますので、かかりつけ医療機関の医師へご相談ください。
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