更新日:2026年4月1日
令和8年(2026年)4月1日から、離婚後の親権に関するルールが変わります。
「民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)」が令和6年5月24日に公布され、令和8年4月1日に施行されます。
この改正は、父 母が離婚した後も子の利益を確保することを目的として、子を養育する父母の責務を明確化するとともに、親権(単独親権・共同親権)、養育費、親子交流などに関するルールを見直すものです。
-すべては「子どもの最善の利益(best interests of the child)」のために―
今回の法改正の中心にあるのは、 「離婚後も父 母双方が、それぞれの立場から子どもに関わり、子どもが両方の親の愛情を受けながら健やかに成長できるようにすること」です。親同士の協議と合意形成を促し、子どもの最善の利益を中心とした共同養育の実現を目指しています。
親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子どもを育てる責任と義務についてのルールが明確化されました。
父 母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子の心身の健全な発達を図るため、子を養育する責務を負います。その際には、子の意見に耳を傾け、その意見を適切な形で尊重することを含め、子の人格を尊重しなければなりません。
父 母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子を扶養する責務を負います。この扶養の程度は、子が親と同程度の水準の生活を維持することができるようなもの(生活保持義務)でなければなりません。
父 母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。
下記のような行為は、上記の義務に違反する場合があります(法務省Q&A「民法編」6ページ等に基づく)。
| カテゴリ | 例 |
|---|---|
| 暴力・威圧的行為 | 父 母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言、誹謗中傷など |
| 監護妨害 | 別居している親が、同居して子の世話をしている親の日常的な養育に不当に干渉すること |
| 無断転居 | 特段の理由がないのに、一方の親がもう一方の親に無断で子を遠くに引っ越しさせること |
| 交流妨害 | 裁判所などで決まった子と別居親との親子交流を、特別な理由もなく拒否すること |
| 悪意の形成(いわゆる「親子断絶」) | 子の前で相手方の悪口を言うことなどにより、子が他方の親を拒むような状況を作ること |
| 情報共有の拒否 | 合理的な理由なく学校行事への参加を拒むなど、子の状況に関する情報共有を拒むこと |
※これらの行為が直ちに違法となるわけではなく、個別具体的な事情を踏まえて判断されるとされています。また、DV・虐待からの緊急避難はこれに当たらないとされています。
上記のような義務違反があった場合、以下の家庭裁判所手続きにおいて、その違反内容が考慮される可能性があります(法務省Q&A「民法編」6ページ)。
これまでの民法では、離婚後は父母の一方のみを親権者と定める「単独親権」が原則でした。今回の改正により、父母の協議で「共同親権」と「単独親権」を選択できるようになります。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 共同親権 | 父 母の両方が親権者となり、子の養育を共同で行います |
| 単独親権 | 父 母のどちらか一方のみが親権者となります |
共同親権でも、すべてのことを両親の同意で決める必要があるわけではありません。
共同親権の場合、改正民法の親権行使に関する規定(民法第824条の2等)により、以下のように整理されます。
| 行為の種類 | 親権の行使 | 具体例 |
|---|---|---|
| 日常的なこと | 単独行使可能 | 食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事 |
| 重大なこと | 共同行使 | 子の住む場所を変えること、将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療、子の財産の管理 |
| 緊急時のこと | 単独行使可能 | 暴力や虐待から逃れるための引っ越し、病気やけがで緊急の治療が必要な場合 |
※共同で親権を行使する事項について、父 母の意見が対立するときは、家庭裁判所は父 母の一方を当該事項に係る親権行使者に指定することができます。
離婚するときは、子の監護の分担についての定めをすることができます。この定めをするに当たっては、子の利益を最も優先しなければなりません。
例えば次のような定めが考えられます。
法改正前に父 母が離婚した子の親権は、自動的に共同親権に変更されることはありません。単独親権から共同親権への変更を希望する場合は、家庭裁判所に「親権者変更の申立て」を行い、審判を受ける必要があります。
養育費を確実に受け取れるように、新たな制度が創設されました。
離婚時に養育費の取り決めがない場合でも、正式な取決めができるまでの間、子の生活に必要な一時的な支払を確保することを目的として、子と暮らす親が他方の親へ、子一人当たり月額2万円の養育費を請求できる制度です。
この金額は、「民法第308条の2の規定による子の監護費用の先取特権に係る額の算定等に関する省令(令和7年法務省令第56号)」第2条において、子一人当たり月額2万円と定められています。
注意点は以下のとおりです。
養育費の不払いがあった場合でも、より確実に回収できるようになります。
※上限額は、 「民法第 308条の2の規定による子の監護費用の先取特権に係る額の算定等に関する省令(令和7年法務省令第56号)」第1条において、子一人当たり月額8万円と定められました。
親子交流や父母以外の親族との交流に関する規律が定められました。
家庭裁判所は、審判及び調停等の裁判手続きにおいて、子の利益を最優先に考え、実施が適当かどうかや調査が必要かなどを検討し、必要があると認められるとき、親子交流の試行的実施を促すことができるとされました。
父母が婚姻中に子と別居している場合の親子交流は、子のことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で定めるとされました。定まらないとき、家庭裁判所は審判等で交流事項を定めるとされました。
祖父母などと子との間に親しい関係があり、子のために特に必要があるといった場合は、家庭裁判所は子と父 母以外の親族との交流を定められるようになります。
制度改正に伴い、離婚届の様式が変更されました。この変更は、「戸籍法施行規則の一部を改正する省令(令和8年法務省令第7号)」(令和8年2月26日公布)に基づくものです。
| 追加された項目 | 内容 |
|---|---|
| 父 母双方が親権を行う子 | 共同親権とする場合、その子の氏名を記載する欄 |
| 親権者の指定を求める家事審判等の申立てがされている子 | 離婚時に親権者が決まっていない場合(審判・調停申立中)に記載する欄 |
| 真意確認欄 | 「離婚後も共同で親権を行使すること又は単独で親権を行使することの意味を理解し、真意に基づいて合意した」ことを確認する欄 |
取決めの有無欄 |
監護の分掌(子育ての分担)、親子交流及び養育費の分担についての取決めの有無を確認する欄 |
※養育費の分担の有無を尋ねる欄の「子」には、経済的に自立していない子(未成年の子に限りません。例えば大学を卒業するまで養育費が必要となる子等)が該当します。
改正前の様式(旧様式)の離婚届用紙も、当分の間使用することができます。ただし、 未成年の子がいる場合は、「別紙」を離婚届に添付して提出する必要があります(令和8年2月26日付法務省民一第393号通達)。
この「別紙」には、以下の事項を記載します。なお、新様式の離婚届書の場合は、「別紙」の添付は不要ですが、同事項を新様式離婚届書の当該箇所に記入する必要があります。
※市民課戸籍係窓口で配布しています(無料)。
新様式離婚届書(令和6年法律第33号)(PDF:944KB)
※市民課戸籍係窓口で配布しています(無料)。
| 記載項目 | 内容 |
|---|---|
| 未成年の子の氏名 | 父母双方が親権を行う子、父が親権を行う子、母が親権を行う子及び親権者指定の審判等申立中の子の区分ごとに氏名を記載 |
| 真意確認 | 共同親権・単独親権の意味を理解し真意に基づいて合意したことの確認 |
| 子育ての分担の取決め | 取決めの有無をチェック |
| 親子交流の取決め | 取決めの有無をチェック |
| 養育費の分担の取決め | 取決めの有無をチェック(経済的に自立していない子がいる場合) |
離婚時に親権者が決まっていない場合でも、親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされていれば、協議離婚をすることができます(民法第765条第1項)。この場合は、別紙又は新様式離婚届書中の「親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている子」欄に子の氏名を記載します。
後日、審判が確定又は調停が成立したときは、親権者指定届を提出する必要があります。この届出には、審判書謄本と審判確定証明書、又は調停調書の謄本を添付してください。この場合、協議による親権者指定届は受理されませんのでご注意ください。
※市民課戸籍係窓口で配布しています(無料)。
民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について〔令和8年4月1日施行〕
パンフレット(父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました)(PDF:1,909KB)
電話:0234-24-0981(こどもに関する相談)
電話:0234-26-5734(ひとり親に関する制度の相談)
※離婚の届出自体は、休日または平日時間外の閉庁時でも可能です。その場合、守衛室で届書を受領しますが、具体的な相談等はお受けできませんので、あらかじめご了承ください。
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